奥歯の被せ物を銀歯(金属)にしたくない方へ
奥歯の虫歯治療において、被せ物を入れる時には一般的に「銀歯」と呼ばれる金属の歯科材料を使用するケースは多々ありまが、銀歯は避けたい…という方が多くいらっしゃいます。
そんな方のご要望にお応えできる治療方法をご紹介します。
奥歯の被せ物の「銀歯」の特徴とリスク
以前は保険適用での奥歯の虫歯治療には、金属の被せ物がほぼ一択でした。
強度は充分ながら、口を開けた際に目立つなどの審美性に問題があり、また金属アレルギーの原因の一つとも言われています。
現在はアレルギーリスクが低い金属として、インプラントにも使用されている「チタン」や「金銀パラジウム合金」が中心ですが、欧米ではアレルギーリスクの高さから早々に禁止されていた「アマルガム」という金属は、日本国内では1970~80年代にかけてごく一般的に奥歯の詰め物として使用されていました。
どんな素材であれ、口腔内に金属を使用する以上は、金属アレルギーのリスクが発生します。湿疹、粘膜の異常、頭痛、めまいなどがあり、原因が分からない場合には、口腔内で使用する金属が原因になっていることがありますので、ぜひご相談ください。
保険適用となる、奥歯の白い被せ物の種類は?
白い被せ物には、条件により保険適用となるものもあります。
費用が抑えられ、金属を使用しない白い被せ物というメリットもある反面、それぞれにデメリットもあります。
コンポジットレジン充填
コンポジットレジンとは歯科用プラスチックで、虫歯を削った部分に直接レジンを充填していきます。費用が抑えられて形成しやすいのが特徴です。
白い材料ですので目立ちにくく、金属アレルギーの心配もありません。
しかし一方で、汚れが付着・変色しやすく、強度面では他の材料よりも高くないため、破損する恐れもありますが、比較的簡単に再治療・修正も可能です。
【保険適用条件】
- 金属アレルギーの方
- 前歯から第二小臼歯(前歯から数えて5番目の歯)までのすべての歯と、第一大臼歯(6番目の歯)と第二大臼歯(7番目の歯)
CAD/CAM冠
セラミックとレジンを混合したブロックから、CAD/CAMの技術を応用して削り出して作製する、ハイブリッドセラミックの被せ物です。
自費診療のセラミックほどではありませんが、天然歯に近い白さの再現が可能。
また、金属アレルギーの心配がなく、金属の詰め物のような必要以上の摩耗性が無いので、噛み合う歯を傷つけない点も大きな特徴です。
【保険適用条件】
- 金属アレルギーの方
- 前歯から第二小臼歯(前歯から数えて5番目の歯)までのすべての歯と、第一大臼歯(6番目の歯)
- 第二大臼歯(7番目の歯)に関しては上下左右の4本が揃い、適切に噛み合っている
- 噛む力が適度であり、歯ぎしりがない
- CAD/CAM冠の厚みを十分に確保するための歯の削除(削ること)が可能
保険適用の白い歯のデメリット・注意点
最も大きく異なるのは、セラミックや金属と比較した際の強度です。
強度が低いためすり減りやすく、長期の使用で噛み合わせが少しずつ低下する可能性があります。
また、白い材料ではありますが、自費診療のセラミックと比べると色素沈着や、プラークの付着しやすいため虫歯や歯周病リスクがセラミックよりも高いといった、デメリットがあります。
奥歯の治療におススメなのはセラミック
自費診療ではあるものの、セラミックはこれらデメリットをしっかりと解消できます。
天然歯に近い白さと透明感を再現できる、オールセラミック
自分の歯の色とほぼ変わらない色で、長く安心・安全に過ごされたい方には、自費診療になりますが「オールセラミック」の被せ物がおすすめです。
天然歯に近い白さと透明感の再現が可能で、奥歯はもちろん前歯で使用しても本物の歯と遜色なく、口元の審美性を維持・向上させることが可能です。
オールセラミックの被せ物の種類は様々ですので、患者さまのお口の状態やご予算・ご希望などに応じてご提案させていただきます。
銀歯の奥歯もセラミックに交換が可能!
すでに使用されている銀歯から、セラミックの詰め物・被せ物への交換が可能です。銀歯治療から数年が経っていても可能ですので、ぜひ一度ご相談ください。